刺され損ねた。

童貞の恋人が右手であるように、メンヘラの恋人もまた、右手なのである。

2015-10-01から1ヶ月間の記事一覧

まな板の上で君と

わたしたちは生きかたを知らない。産まれてから生きていくうちに見つけていくものだと思っている。趣味というのが、より近く、それかもしれない。知らない生きかたを見つけるために趣味をしているのかもしれない、少なくともわたしはそうである。生きかたに…

お砂糖天国

ばら撒いて回してくっつけて、ふわふわになる。舌で舐めればきらきらひかり、つぶすと薄くかたくなる。表も裏も、なんなら中まで真っ白で、あんなに軽いのに甘い香りを放つそれを少しちぎって口へはこぶ。色のイメージといえば、緑のものは苦い、黄色のもの…

血管熱戦トピックス

赤と青と白、目の上に腕をおくと黒い背景の中に現れる。数十年生きていてこれは血管だと思っていたがあながち間違いでもないらしい。検索していくと「血管の残像」ということが書いてあった。ほかにも、「直前に見ていたものの感覚」だったり、「圧力のかか…

嫌いがする大好き

ぱちぱち 細かい音で目が覚める。今日はあいにくの、雨。小粒のしずくがフロントガラスを叩いていた。線香花火の夢をみたのはきっとこの音のせいだろう。ワイパーに追いやられたしずくは、半分は窓の隅にたまりLEDの赤を取り込む。その赤さといったら、鮮血…